映画学で大学院留学!

大学院留学するための毎日の記録

イギリス大学院 合格までの道のり


今回の記事は、私がイギリスの大学院に合格するまでの道のりについてです。
これまでのブログにも書いていた通り、私はイギリスとオランダの大学院に出願していましたが、最終的にイギリスの大学院に進学することにしました。そのため、ここではイギリスをベースに書いていきます(オランダ大学院出願フローについては、別記事で詳しく書く予定です)。

私の進学先は、Birkbeck, University of LondonのMA Film and Screen Media with Film Programming and Curatingです。ロンドン大学は有名ですが、Birkbeck校は聞き馴染みがないと思います。この大学はevening universityであるというのが特徴で、基本的に授業は夜間に行われます(一部日中の授業もあり)。特に有名大学に進学する方が目立つSNS上では、なかなかBirkbeckに進学する人を見かけないのでちょっと気になるなーと思っている方や、単純にイギリスの大学院に行きたいけど出願まで何が必要?どのくらい時間かかる?と思っている方などの参考に少しでもなれば嬉しいです。

なお、この記事は、いつもお世話になっている『異文化の魔法』のTORUさんの記事を参考に執筆しています。個人や大学・コースによって異なる部分もあると思うので、ぜひいろんな方の道のりを比べてみてくださいね!
saya-culture.com

2020年7月 大学院進学を決意

このブログを開設した前後は、仕事も楽しくないし、これからのキャリアをどうしようかなと考えていた時期。この仕事は本当にやりたいことじゃない、というのが大きな理由でした。前に一度頭をよぎった大学院進学を思い出し、おおよその予算とプランを組み立てて今なら行けるかも?ということで、2022年の進学を目指すことにしました。

2020年9月 オンラインカンファレンスに参加

進学を決めたとは言え、どのコースに行くか?は全く決まっていませんでした。MBAも良いし、その他のビジネス系(実務系)のコースもありだし、学部の学びをさらに深める映画学も選択肢にある。ざっくり調べてみてわかったのは、MBAは向いてなさそうということ。そこで、自分の興味度合いやその学びを続けられるかを確かめるために、まずは映画関係のオンラインカンファレンスに参加しました。正直、めちゃめちゃ面白かった。こんな研究もあるんだ!って発見がたくさんあってワクワクしたのを覚えています。


2020年10月 コースの方向性を決める
カンファレンス参加をきっかけに、映画関係のコースにするという大体の方向性を固めます。ただし、ストレートなFilm studiesは除く、ということもこの時点で決めていました。というのも、学部での専攻がFilm and Television studiesというストレートな内容だったので、改めて同様の内容を学んだり追求するよりも、もう少し踏み込んんだ内容が良いなと思ったからです。なので、手始めにカンファレンスのスピーカーの出身・所属大学を調べたり、いろんな大学で提供されている映画関係のコースを調べるようになりました。

2021年1月 IELTS受験(Overall 7.0)

大学院留学するなら英語スコアは必須なので、まずは今のレベルを確かめるために受験することに。
結果はOverall 7.0でしたがライティングが低めだったので、おそらくどこの大学に出しても要件に引っかかり、条件付き合格になるだろうと思いました。また少し時間を空けて受験することを決め、苦手な部分の対策を始めました。
amandasan-ryugaku.hatenablog.com

2021年6月 オンラインセミナー&コース受講

コース選びの参考にするため、Film exhibitionに関するオンラインセミナーに参加しました。ここで面白いと思えなかったら、映画学寄り(アカデミック)のコースではなくて、映画ビジネスとかクリエイティブ産業について学ぶコースにしようと考えていました。結果的には、やっぱりこのセミナーが面白くて。発見がたくさんあったし、映画へのさまざまな向き合い方を知ることができたので参加してよかったなと思います。
ちなみにこのセミナーは、先に参加したオンラインカンファレンスの主催団体が発行するニュースレターで知りました。興味のある企業や団体のニュースレターは購読しておくと良さそうです。

2021年7月末 退職

コロナの影響を受け、会社の事情により退職することに。もともと進学するのであれば2022年の4月に退職しようと考えていたので少し早まりましたが、退職条件もよかったのでちょっとラッキーでした。ちょうど担当していたプロジェクトも退職時までに終わる見込みだったのでタイミングも良かったです。ここまで約6年間の東京生活を終え、8月末に地元・北海道へ帰ることにしました。

2021年8月 出願コース選び

ここから本格的なコース選びに着手します。
カンファレンスやセミナーに参加する中で、すでにいくつか気になっていたコースがあったので、それをベースに関連するキーワードで改めて検索し始めました。「映画祭について学べる」というのがキーワードとしてあったので、欧州の大学を中心に調べ、イギリスとオランダに絞り込みました。北米の大学院にはあまり興味がなくて、モジュールを見てもこれ!というものがなかったので除外。以前ブログで紹介したカナダの大学で紹介しているこのリストは役立ちました。

2021年8月末 推薦状依頼(Academic reference)

コースがまだ決まっていない状況ではありましたが、まずはAcademic referenceの依頼だけしておこうと思いました。しかし!少々依頼に手こずりました。というのも、一番仲の良かった教授が他の大学に異動していたため、他の教授に依頼しなければならなくなったからです。何人か依頼のメールを送ったのち、Programme directorでもある教授に書いてもらえることになりました。めちゃめちゃありがたかったです。しかも10月末にはドラフトはできたから、あとは提出する時に調整するよ連絡が来ました。


2021年9月 パートタイムで仕事を始める
少しでも資金を貯めておきたいので、パートタイムで仕事を始めました。幸運なことに教育機関でのお仕事が決まり、留学生も多い場所でしたので英語を使う機会も多くとても楽しかったです。時短職員ということもあり、家に帰ってから準備や勉強の時間を取ることも可能でした。ここであれば、もし大学院に受からなくてもお仕事を続けられると思ったのも決め手でした。


2021年9月 成績証明書、在学期間証明書の発行申請
私は一度日本の大学に進学し退学したため、日本語版と英語版で日本の大学の成績証明書在学期間証明書を取り寄せました。在学期間証明書は大学によって異なると思うので、必ず確認してください。日英の2種類取り寄せたのは、国内奨学金の応募と大学院の出願の両方で必要になったからです。イギリスの大学の成績証明書については、過去に発行したものがあったためそちらを使用しました。
日本国内の奨学金に応募する際にも必要な場合、応募先によってはもっと早く取り寄せておく必要があると思います。

2021年10月 日本国内奨学金応募

日本国内の奨学金に応募するため、書類を準備したり志望理由書(日本語)などを書き上げました。正直これもギリギリなので、できれば夏の間に準備しておくのが良いですね…。あと、推薦状が必要ということで元上司に依頼しました。内容は自分でベースを作ったものを確認してもらいました。
この段階で、志望理由書を書くためにブレストしたり詳細を調べたり自己分析などいろいろしたので、出願時の志望理由を書く時に役立ちました。奨学金は選考落ちしましたが…。

2021年10月 IELTS受験(Overall 7.5)

ある程度コースの検討がついて、必要な IELTSスコアも見えてきたので再受験。すでに北海道に帰ってきていたのでここからはIDPさんにお世話になりました(スピーキング前とか声をかけてくれてリラックスできてよかった)。
思ったほど勉強はできていませんでしたが、リラックスできたからかスピーキングのスコアが伸びました。今までは英検主催の試験しか受けたことがありませんでしたが、IDPの方が合っていたのかなと思います。

2021年11月頭 エージェント面談、出願校決定

最初はエージェント登録しない予定でしたが、いろいろと気になるところも出てきたので学部時代にお世話になったエージェント(SI-UK)に改めて登録しカウンセリングを受けました。ここで話をしたことで自分の中で整理ができ、イギリスでの出願先を3校に確定しました。
私は、前回留学した時から変更になっている部分や個人ではコンタクトしにくい部分のサポートをしてもらうイメージで登録しましたが、十分に情報がある場合にはエージェント登録は不要だと思います。

出願したのは以下の3コースです。
- Birkbeck, University of London
MA Film and Screen Media with Film Programming and Curating
- University of Glasgow
MSc Film Curation
- University of Edinburgh
MSc FIlm, Exhibition and Curation

2021年11月 Personal statement&CV作成開始

ここからやっとPersonal Statementを作成し始めます。たぶん結構遅いと思います...。というのは、早いところだと10月頃から出願スタートなので、イギリスの審査は時間がかかることを踏まえると12月には出願することを推奨されているからです。早く出した方が早く審査されて結果も早い。クリスマス休暇が長いことや、年明けにはイギリス国内やEU圏からの出願も増えて審査待ち件数が増えてくることが要因の1つです(イギリス国内・EUは出願締切が遅い傾向がある)。ただし、これはコースによって変わる部分でもあり、締め切ってから一斉に審査を始めるコースや、ラウンド制を取っているコースもあるのでそこは個別に確認しておくのが良いと思います。

さて、肝心のPSですが、イギリスの第一志望だったBirkbeckを基準に、奨学金応募時に書いたものを英訳して、構成を変えたり追記したりしながら書きました。文字数に合わせて情報を選択するのが一番悩むところでしたが、すでにベースができていたので結構書きやすかったです。おそらくみなさん複数コース出願すると思いますが、基本的には似たようなコースに出願すると思うので文字数調整くらいで基本は使いまわせるのではないかと思います。
CVについては、以前作った英語CVをベースにブラッシュアップして作成しました。

2021年12月頭 推薦状依頼(Professional reference)

出願先も決まりPSも書き始めたので、Professional referenceの依頼をしました。このタイミング、めちゃめちゃ遅いので参考にしてはいけませんよ…(笑)。Professional referenceは奨学金の時に依頼した上司にお願いしたので、すぐに引き受けてもらえました。奨学金の時と同様に、自分でベースを作って内容を確認してもらい、必要に応じて修正してもらいました。

2021年12月中旬 エージェントへ添削依頼

無事にPSもできたので、エージェントへ添削依頼をしたのが12月中旬頃。依頼したのはPSとCV、そして推薦状です。推薦状はProfessional referenceを1通、日本語→英語に訳したため念の為確認してもらいたくて依頼しました。エージェントもクリスマス・年末年始の休暇があったため、全ての返却が終わるのが年明けとなりました。(一部は年内に返却された)なので、添削を依頼するときにはもう少し余裕を持って書類作成することを全力でお薦めします(笑)!

2021年12月中旬 エッセイ課題執筆

Birkbeckはエッセイ課題があったので、PSなどを添削へ出して待っている間に課題に集中して執筆しました。課題は、「最近見た映画をどのようなプログラムで上映するか」というもの。実際には11月くらいから意識的に映画を見て、どの作品のプログラムを作るかを考えたり、Short CutsシリーズのFilm Programmingも読み直していました。字数もそこまで多くありませんでしたし、映画に関するエッセイは学部でずっと書いていたので執筆自体はそこまで苦労しなかったかなと思います。むしろ、理由づけや独自性を意識してアイデアを出し、選びまとめるのに時間をかけました。評価はわかりませんが、そこまで悪くはなかったのかなと思っています。エッセイ課題があったのは1校だけでしたが、他の大学ではサンプルライティングの提出があったので、過去のエッセイを選んだりして準備を進めました。

2022年1月13日 出願

添削書類が戻ってきたので、内容を確認し、修正して完成!この間、オンライン出願フォームで埋められる情報は事前にすべて入力、アップロードをしておきました。基本的に一時保存ができるので、時間があるときに入力を進めておいて、添削が返ってきたらすぐに出願できるようにしておくのが良いと思います。私も添削待ちをしている間に、添削もの以外は全て終わらせていたのでスムーズに進められました。

2022月1月27日 Birkbeckからの面接案内

全て出願したし、数週間はかかるはずだから一息つけるかな?と思った矢先、Birkbeckから面接の案内が来ました。イギリス大学院は審査遅いって話では…?
amandasan-ryugaku.hatenablog.com

面接では、「なんでこのコースにしたの?」(似たようなコースがいくつかあるので、その中でコースを選んだ理由も)など就活にもありそうな質問の他、エッセイ課題について「どうやってお客さんにアプローチするの?」とか詳しく説明を求められたりしました。たまたま面接官が私の母校に勤務していたことがあって(時期は被っていない)、アイスブレイキングとして母校の話をしたり。私が課題で選んだ作品が面接官のお気に入りだったらしく、ちょっとご機嫌な感じが面白かった(笑)。もっとシリアスな感じかと思ってたけど、結構和やかだった印象です。

2022年2月8日 BirkbeckからUnconditional Offerを受け、Offer Accept

面接から約1週間後、Birkbeckから合格だよ!と連絡が来ました。初めはDepartmentの事務担当者からメールで連絡が来て、これから入試課が手続きをするから正式な通知はもう少し時間がかかると言われました。ひとまず第一志望なのでAccept。
※正式なoffer letterが来たのは2月26日でした。

2022年2月25日 GlasgowからUnconditional Offerを受ける

第2希望だったGlasgowからも合格通知がきました。出願から約2ヶ月で2校から合格をもらいました(ねえ、審査遅いとは…)。コースがややマニアックであることや、超人気校(UCL, KCL, Edinburghとか)ではないことが審査が早かった理由ではないでと思っています…。

2022年5月上旬 Birkbeckに決める
5月頃に出るオランダの大学院結果を待っていたため、BirkbeckのOffer Acceptをしたもののまだ決めていませんでした。オランダの大学院の結果が出揃って、やっとBirkbeckに確定しました。

2022年7月末 EdinburghからConditional Offerを受ける

この頃にはもうBirkbeck進学が決定して準備していたので、結果だけ記録しておきます。Edinburghのコースはラウンド制で、私が提出した時はラウンド3から審査対象となりました。Conditional Offerが出たのはラウンド4。しかも英語スコアが足りていないので条件付きです。

正直、これは留学生には厳しいタイミングです。ここまでに英語スコアをクリアして提出できる状況で、Unconditional Offerにできるなら大丈夫かもしれませんが、それでもビザ申請や寮の申し込みを考えると結構ギリギリ(6−7月スタートのpre-sessionalを受講している場合はまた別)。なので、できる限り5月頃までには無条件合格にしておくのが安心です(CASが出るのは大体6月頃からなので)。
頑張って無条件合格をめざし、お金に余裕があるなら少し早めに渡英し無条件合格者向けのpre-sessionalに参加して、生活や学業に慣れるというのが良いのかなと個人的には思っています。

長くなりましたが、以上が私がイギリス大学院に出願を決め、合格するまでの道のりでした。
わかりにくい部分もあるかもしれませんが、その場合はDMなどいただければと思います。みなさまのお役に立てば幸いです。