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2021.03.15 アカデミー賞ノミネーションざっくり考察

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今日はアカデミー賞のノミネーション発表。
応援している監督がショートリスト入りをしていることもあって、いつも以上にソワソワしながら発表を待った。というか、今まで待機してストリーミングとかで確認したことなんてあっただろうか…。

ノミネーション結果は、いろいろなところで発表されているからここで全部は紹介しません。多分この辺が見やすいかな。

www.cinematoday.jp

 今回のノミネートでの個人的なポイントは4つ。まずは監督賞について。

■監督賞
トマス・ヴィンターベア 『Another Round』
クロエ・ジャオ 『ノマドランド
デヴィッド・フィンチャー 『Mank/マンク
エメラルド・フェネル 『プロミシング・ヤング・ウーマン
リー・アイザック・チョン 『ミナリ

 Point 1 女性監督が2人ノミネート

ノマドランド』のクロエ・ジャオと『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェネルの2人。女性監督が同時に2人(複数人)ノミネートされたのは、今回が初めて。つまり、93年で、初めてのこと。どれだけこれまでに素晴らしい女性監督たちが悔しい思いをしてきたかということですよね。アカデミー会員の多様化が進み始め、女性監督の活躍がやっと表面化しはじめたという感じがします。未来の女性監督のロールモデルになるんじゃないかな。うん、期待しかないよね。いやまじで受賞して欲しい。監督に限らず、映画に関わるすべての女性を応援したい。

Point 2 アジア人監督が2人ノミネート

先述のクロエ・ジャオと『ミナリ』のリー・アイザック・チョンの2人。白人だけではない、白人と黒人だけではない、さまざまな有色人種もいる、というアメリカの多様性がここにも反映された気がします。ここ数年は「白人ばかり」のノミネートも多かったりしたからね。この間のゴールデングローブ賞とか酷かった。そういう意味で、ハリウッドやヨーロッパの作品・監督が目立つ映画業界、アカデミー賞において、同じアジア人が2人もノミネートされることは嬉しいです。また、クロエ・ジャオは女性の有色人種の監督として初めてのノミネートになります。そんな彼女が監督する『ノマドランド』は、3月26日日本公開です。はよ観たい。

Point 3 英語以外の言語の作品が2作品、監督賞で入るのは4回目

『ミナリ』は韓国語と英語、『アナザー・ラウンド』はデンマーク語とスウェーデン後となっています。アカデミー賞アメリカの映画祭なので、アメリカで一定期間公開されたものが対象となり、どうしても英語作品の割合が多くなるはず。それなのに、外国語作品の監督が2人ノミネートされるということは、言語の壁を超えて、監督の素晴らしさが伝わったということじゃないかと思います。字幕で作品を見るのが苦手と言われるけど、ここ最近は慣れてきた人も多いんじゃないかなと思います。去年の『パラサイト』もそうだし。ちなみに、『ミナリ』は3月19日公開です。てか、相変わらずマッツ・ミケルセンかっこいいな…。

Point 4 最多ノミネートは、『Mank/マンク』で10部門

ノミネートされているのは、次の10部門。

作品賞

監督賞(デヴィッド・フィンチャー

主演男優賞(ゲイリー・オールドマン

助演女優賞アマンダ・セイフライド

撮影賞

美術賞

音響賞

作曲賞

衣装デザイン賞

メイク・ヘアスタイリング賞

アカデミー賞前哨戦であるゴールデングローブ賞では最多ノミネートの末、無冠という本作だけに過度な期待はできないかも…。ちなみに、GG賞では『ノマドランド』が監督賞と作品賞の2冠となっているので、アカデミー賞もそちらが有力と思われる。

面白いのは、『Mank/マンク』はNetflix制作・配信の作品だということ。Netflixは、特にここ数年制作本数が増え、良作も多く、注目すべき制作会社となっている。映像配信プラットフォームを持つ企業が、映像を制作し始め、映像業界も面白くなってきたと感じる。しかも去年は、ディズニー作品などコロナ禍で配信での公開に切り替えた作品も多かった。その結果、映画館は打撃を受けたわけだが…。ただ、これからも配信で公開される映画は増えるだろうし、アカデミー賞ノミネート作品もより多様になるかもしれない。『Mank/マンク』は今もNetflixで配信中です。

www.netflix.com

ひとまず、アカデミー賞ノミネートからざっくり考えたことをまとめてみました。まだ若干興奮している部分があって、文章がわかりにくい部分があったらごめんなさい。本当は統計とかデータも使いたかったけど、引用したいデータがなかなか見つからなかったので諦めました…。

アカデミー賞授賞式は、現地時間4月25日です。楽しみです。